2025年の視点:「敵失」なしには浮上できない円、地政学リスクの影響も=内田稔氏

ニュースの要約

  • 米ドル指数の算出対象通貨にドルを加えた7通貨の中で、円は2023年に続き2024年も最も弱い通貨であった。
  • 日銀を除く6中銀が複数回の利下げを行った一方、日銀は35ベーシスポイントの利上げを実施したが、円の弱さは続いている。
  • 日本の実質金利は政策金利、長期金利ともにマイナス圏にあり、他通貨よりも低い。
  • 日本のインフレは持続しており、消費者物価指数は32カ月連続で2%を上回っている。
  • 日銀は慎重な正常化スタンスを維持しており、インフレを助長する可能性がある。

市場への影響

目次

日本市場への影響

  • 日本の実質金利は依然としてマイナス圏にあり、円の弱さが続く可能性が高い。
  • 25年も日銀の利上げが見込まれるが、実質政策金利のプラス転換は難しいとされる。
  • 長期金利の上昇は円高圧力となるが、インフレが加速することで相殺される可能性がある。

日本株への影響

  • 日本企業の業績改善が続いており、賃上げの余力があることが示唆されている。
  • 25年度の春闘では、5%以上の賃上げが目指されており、賃上げの持続性が見込まれる。

その他市場への影響

  • ドルやユーロが大きく下落する「敵失」があれば、円の持ち直しもあり得る。
  • 米国経済のダウンサイドリスクやユーロの信用格付けの変動が、為替相場に影響を与える可能性がある。
  • 地政学リスクが25年の相場に強い影響をもたらす可能性があり、要注意である。
提供: Reuters
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