ニュースの要約
8月の円高局面で、日本の機関投資家が過去最大の対外証券投資に動いていたことが話題となっている。新NISA(少額投資非課税制度)を通じた個人の対外投資も高水準を維持しており、円の先安観が再び市場で意識される可能性がある。
市場への影響
目次
日本市場への影響
- 日本の機関投資家が8月に過去最大の対外証券投資を行い、その総額は8兆7451億円に達した。
- 信託銀行(信託勘定)による対外中長期債投資は2兆8069億円の買い越しとなり、過去最大の記録に匹敵する額となった。
- 新NISAを通じた個人の対外投資も高水準を維持し、投資信託が1兆1702億円の買い越しを記録した。
日本株への影響
- 米国株の急落により、新NISAの主な受け皿である「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の純資産残高が4.1兆円から3.5兆円に減少。
- 投信の8月対外株式投資は7689億円と、今年1月の新NISA開始後で最も少ない額にとどまった。
- 一方で、中長期債投資が3881億円と、約1年9カ月ぶりの高水準に膨らんだ。
その他市場への影響
- 8月のドル/円相場は、7月の米利下げ観測と円買い介入で161円台から149円台まで下落した後、8月には141円台から149円まで切り返した。
- 国内機関投資家が円高局面をドルの買い場と見て活発に買いを入れていたことが確認された。
- 新NISAを通じた個人投資家の対外投資意欲が衰えず、円相場に直接影響を及ぼす可能性がある。
参考リンク
提供:
Reuters