アングル:ドルが下げに転じた8月、各国の通貨や金融政策への影響

ニュースの要約

2024年8月にドルは主要通貨に対して2%余り値下がりし、月間では今年最大の下落率を記録しました。このドル安の背景には、米国の景気悪化に伴い米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を引き下げるとの観測があります。以下は、ドル安による各国の通貨や金融政策への影響についてのまとめです。

市場への影響

目次

日本市場への影響

  • 円買い介入の警戒不要に
  • 7月に38年ぶりの安値に沈んでいた円相場が回復。
  • ドル/円は現在、1ドル=146円近辺で推移。
  • 円高ドル安の要因:
    • 日銀の利上げ
    • FRBの利下げ観測
    • 円キャリートレードの巻き戻し
  • MUFGのデレク・ハルペニー氏:「ドル/円はより低い水準に向かっている」

日本株への影響

  • 円高により輸出企業の収益が圧迫される可能性。
  • 逆に、輸入企業にはプラスの影響。

その他市場への影響

  • 中国
  • 人民元が対ドルで2023年6月以来の高値に上昇。
  • INGのリン・ソン氏:「人民元は緩やかに上昇する」と予想。
  • 今年末時点のドル/元相場は現在よりも約1%安い1ドル=7元との見通し。

  • 東南アジア

  • フィリピンペソとインドネシアルピアが大幅に上昇。
  • MUFGのイーサン・コーマン氏:「フィリピン、シンガポール、南アフリカ、韓国、台湾、トルコの中央銀行が利下げに合流する」と予想。

  • ポンドとユーロ

  • ポンド/ドルは過去最安値より25%余り高い1ポンド=1.30ドル超で推移。
  • ユーロは1ユーロ=1.10ドル強。
  • 市場は、ECBとBOEの利下げはFRBよりも小幅にとどまると織り込んでいる。

  • 北欧通貨

  • スウェーデンクローナは8月に対ドルで4%上昇。
  • ノルウェークローネは堅調に推移しそう。

以上が、ドル安による各国の通貨や金融政策への影響のまとめです。

提供: Reuters
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